NFTとイーサリアムは実際切っても切れない関係のように思っている人もいるでしょう。
確かに、NFTはイーサリアムなしでは語れないかもしれませんが、詳しくはわからないのではないでしょうか?
実際にNFTとイーサリアムの関係性、ガス代、イーサリアムと関係性があるポリゴンについても詳しくご紹介します。
NFTとイーサリアムの関係

NFTは唯一無二の存在ですが、それを支えているのがイーサリアムです。
NFTはイーサリアムのブロックチェーン上で取引が行われ、記録されます。
具体的にいうと、イーサリアムのスマートコントラクト機能によってNFTは作成されています。
ちなみに、NFTはイーサリアム以外のブロックチェーンを使うこともできていますが、大半がイーサリアムで構築されていると言っても過言ではありません。
なぜここまで多くのNFTにイーサリアムを起用するかというと、ビットコインに次いで時価総額が2番目に大きいことと、複雑な取引が可能で使いやすいことが関係しています。
NFTでイーサリアムが関係しているガス代とは?
ガス代を簡単に説明すると、ブロックチェーン上でNFT取引を行う際にかかる手数料のことです。
具体的なガス代の内訳
イーサリアムのガス代(gwei)=(Gas Price+Priority Fee)×Gas Limit(ガス限度額)
という式になります。
Gas Priceは基本料金、Priority Feeは優先手数料、Gas Limitはガス限度額となっています。
基本料金はユーザーの需要によって変わり、「Low」「Average」「High」の3つで表されます。
ガスプレイスの単位は「Gwei(ギガウェイ)」で1Gweiは、0.000000001ETHとなっています。
優先手数料は、その名の通り多くの手数料を支払うことで優先的にトランザクションしてもらえ、ガス限度額はガス代上限のことでトランザクションの大きさにより価格が変動します。
また、ガス限度額は自分でも設定することができますが、低く設定してしまうと思ったように支払いが成立しない可能性もあります
さらに、取引データの計算処理・承認によって新たなブロックチェーンが作られることをマイニングと言います。
そのマイニングを誰かの代わりに行うマイナーがいて、そのマイナーに対して払われる報酬がガス代です。
また、ただ仕組みに対して手数料が取られているのではなく、第三者による悪意のある不正行為やネットワークへの攻撃などに対するセキュリティ対策も手数料が含まれています。
通称ガス代と呼ばれていますが、ネックワーク手数料とも言われています。
ガス代は一定ではない
全てのブロックチェーンでガス代がかかるわけではなく、管理者がいる場合、取引やNFTの管理をすることでガス代がかからない場合もあります。
また、ガス代もブロックチェーンごとに異なり、イーサリアムチェーンならイーサリアム、PolygonチェーンならMATIC、SolanaチェーンならSOLというようにそれぞれガス代として求められる仮想通貨も変わります。
そのため、ガス代の相場というのがありません。
その時々のブロックチェーンの利用者増減・仮想通貨の価格増減に影響して、ガス代の価格も変動します。
つまり、需要によって価格が変動するためガス代は不安定とも言えます。
ガス代を払いたい人が増えるとマイナーの作業量は多くなり大変になります。
マイナーの作業量ではこなしきれないほどガス代を払いたい人が増えれば当然時間がかかりますし、価格も上がるでしょう。
ただ、マイナーの作業効率が上がればガス代は安くなるともされています。
もちろん、ガス代に換金する際は海外の通貨が基本で日本円の通貨に変換する必要があり、為替レートによる変動でも価格は変わります。
ガス代は利用するDApps(分散型アプリ)によって異なる
世界最大と言われるNFTマーケットプレイスopenseaを例にしたガス代は下記の際にかかります。
- オファーの受け入れ
- 他の人への NFT の転送 (または贈与)
- NFTの購入
- NFTリスティング(出品)のキャンセル
- 入札の取り消し
- WETHからETHへの変換 (またはこの逆)
- メタデータの凍結
- Polygonとの間でのETH のブリッジ、またはETHの引き出し
また、下記は初回のみガス代がかかっていましたが2020年9月には撤廃されました。
- OpenSeaツール以外で作成されたNFTに対するトランザクションの承認
- トークンの承認
- WETHの承認
それ以外ではガス代はかからない仕組みになっています。
さらに、openseaにおいてNFTの値下げは無料、値上げの際はキャンセルしてから際出品が必要となり、転送の際のガス代は自分持ちとなります。
NFTガス代(イーサリアム)の計算方法
先ほどもご紹介した部分がありますが、ガス代を計算するにはガス代を確認する必要があります。
ガス代を計算するためには主に「Etherscan」と「ETH Gas Station」にて調べることができます。
NFTイーサリアムのガス代はいくら必要?

NFTを出品するとき
イーサリアムの送金手数料は、ほとんどの取引所で0.005ETH(1,000~2,000円)です。
購入オファーを承諾するときのガス代は2,000~3,000円、承諾しない場合は無料です。
NFTを購入するとき
国内取引所からメタマスクへの送金手数料は、1,000~2,000円です。
NFT購入時のガス代は、2,000~3,000円です。(高騰するとかなり高くなる可能性も)
ETHからWETHへの交換時のガス代は、1千円ほどです。
OpenSeaでNFTをオークション(価格釣り上げ型)やオファー価格で購入する場合は、交換の度 0.005ETHとなっています。
また、WETH(wRTH)は「Wrapped ETH」(ラップされたイーサ)のことです。
簡単に言うとイーサリアムを他の通貨と交換する場合、そのまま交換できないため、交換できる状態にしたETHのことを言います。
交換比率は「1ETH=1WETH」の固定レートとなっていて、何度でも交換できます。
通称「赤ETH」と言われ、アイコンは赤色のイーサリアムとなっています。
ガス代は常に多めに用意しておく
上記のようにガス代は出品時と購入時によって変わります。
しかし、ガス代は常に変動します。
いざという時にガス代が足りないと思ったように購入ができないこともあります。
何度も送金すると送金手数料もかかってしまうため、あらかじめガス代として多めに用意しておくことをお勧めします。
NFTイーサリアムのガス代を安くする方法
ガス代が安い時間帯を狙う
ガス代は時間帯によっても変動し、ガス代が安くなる時間帯を狙えばガス代も安くなる可能性があります。
時間帯別のガス代を見る場合は「Ethereum Gas Charts」がおすすめです。
低速にしてガス代を抑える
ガス代はトランザクションの速度を遅くすることで安くすることができます。
「Low」「Average」「High」の3つのうちから「Low」を選ぶことでガス代を安くすることができます。
NFTに関係するイーサリアムにかかる税金は?

下記が税金が発生する可能性がある項目になります。
・NFTを取得する際にイーサリアムなどの仮想通貨を用いて購入されますが、その際にイーサリアムの価値が購入する前に比べて価値が上がっている
・NFTと何か財産的価値のあるものを交換した場合(基本的には仮想通貨の価値が上がっているかで判断)
・役務提供の報酬として取得する場合 事業所得、給与所得、雑所得
・NFTを取得した時の仮想通貨の金額と売却したときのNFTから仮想通貨に変換された金額より少ない時
・クリエイターとしてNFTを販売するとき→販売後に2次報酬(ロイヤリティ報酬)を受ける時も対象
・ゲーム内であってもNFTの売買にて利益を得る
・ゲーム内の報酬
・NFT作品レンタルをして報酬を受け取った場合
また、偶発的・臨時の場合は一時所得として、役務提供の報酬として取得する場合は事業所得、給与所得、雑所得のどれかが当てはまります。
そのほかの税項目は雑所得として扱われます。
NFTにイーサリアム以外で利用されるブロックチェーンは?

NFTはブロックチェーンが必須となる仕組みとなっています。
今のところ多くがイーサリアムのブロックチェーンを使用していますが、イーサリアムのブロックチェーン以外のものもNFTで利用しています。
FLOW Blockchain

FLOW Blockchainは、有名なNBA TopShotでも採用されています。
主にゲーム関連のデジタル資産を扱っています。
高速処理が可能で、Proof of Stakeという方式でブロックを生成しており、イーサリアムやビットコインと比べて環境負荷が少ないとされています。
Polygon(Matic)

イーサリアムの改良版と言え、世界的NFTマーケットプレイスのopenseaなどアプリに対応しています。
その他ポリゴンを利用しているプロジェクトは下記になります。
- SBINFTマーケット
- aU(アルファユー)
- シンビオジェネシス
- インスタグラム(ポリゴン・イーサリアムのNFTを投稿できる機能を開発)
- ディズニー(デジタルグッズをポリゴンと共同開発)
また、Proof of Stakeという方式を採用しており、高速処理や安価なガス代などを実現しNFTを扱いやすくしています。
Near Protocol

シャーディングと呼ばれる独自の技術を採用しており、高速処理や低いガス代を可能にしています。
また、Near ProtocolはClimate Neutral Product Labelという認証を取得しており、環境負荷の少ないブロックチェーンとしてのPRも進めています。
Polkadot

特定のブロックチェーンに縛られない自由なNFTの流通を期待されており、ブロックチェーン同士を繋げることを目的としているプロジェクトです。
アスターネットワーク(ASTR)

日本発の誰でも自由に参加できるブロックチェーンとなる「パブリックブロックチェーン」を開発するプロジェクトです。
福岡市や仙台市などの自治体との連携も行なっており、下記の企業にも連携しています。
・NTTドコモ
・ソニーネットワークコミュニケーションズ
・マイクロソフト
・博報堂
・SMBC日興証券
NFTに関係するイーサリアムとポリゴンの違い・比較

イーサリアムは度々問題点が浮き上がるようになり、その改善をされたのがポリゴンと言われています。
イーサリアムを元にしているため、イーサリアムを「親」、ポリゴンを「子」と表記する場合があります。
ユーザー数
イーサリアムが416,092人ほど、ポリゴンが52,560人ほどと圧倒的なユーザー数の差があります。
ユーザー層
イーサリアムを利用する人は富裕層が多いとされています。
なぜなら、取引ごとの金額を調べるとポリゴンの場合100ドル以下の取引が大多数を占めており、高額なNFTが売れていないためです。
大してイーサリアムは今後資産価値が高まるとされ、TwitterのアイコンをNFTにしているだけで分かる人には一目置かれる存在になります。
ただ、その反面価格が高いため一般人には手が出しにくく、数万円程度から高くなると億単位の価格になります。
それに対してポリゴンは、イーサリアムよりも価格が安いため初心者の方にお勧めできます。
ただもちろん、資産価値が高まりにくくイーサリアムよりも下に見られがちです。
取引量・処理速度
取引量は、イーサリアムが5,3億ドルほど、ポリゴンは640万ドルほどと大きな差をつけられています。
処理速度は、イーサリアムの方がポリゴンより遅いです。
手数料・コレクション数
イーサリアムは手数料が高いです。
NFTアートの最先端ともいえ、有名なアーティストも参入し、SNSなどで話題になるなど世界から注目されていることでコレクション数も多いです。
ポリゴンは手数料が無料な反面、コレクション数が少ないです。
円への両替
イーサリアムは円への両替が可能ですが、ポリゴンは不可能となっています。
ちなみに、ポリゴンを国内の取引所に送ってしまうとGOX(仮想通貨が消えること)になってしまいます。
そのため、ポリゴンを国内の取引所に送るのであれば一度イーサリアムに変える必要があります。
取引の記録
イーサリアムの場合リアルタイムで全て記録され、ポリゴンの場合始めと最後の結果だけを記録します。